テコンドーは、朝鮮半島に伝わる古武術を基として、空手など他の武術の長所を科学的に研究しまとめ上げられた技術と、東洋の倫理道徳を基とした精神修養を兼ね合わせた護身術です。 その根幹は、人間の持つ潜在能力を引き出すことにより体の小さな人間でも大きな人間に対して一撃必勝を成し遂げるような技術を身に付けること、そして修練の過程において自らの身体をコントロールし何事にも屈することの無い精神力を養うことにあります。 「テコン」とは足で跳ぶ、蹴る、踏む、そして、拳で突く、砕くことを意味し、「ドー(道)」は人格形成を目的とした、精神修養を意味します。故 崔泓煕(チェ・ホンフィ)総裁により創始され、1955年にテコンドーと命名されて以来世界各国に普及し、現在では老若男女を問わず多くの修練生達が学んでいます。 |
創始者 (故)崔泓煕 総裁 |
日本にテコンドーが伝えられたのは、1981年の国際テコンドー師範団の来日によります。 当初、普及活動はなかなか思うように進みませんでしたが、在日朝鮮人の企業家、故 全鎮植 (ジョン・ジンシク)氏との出逢いにより、全氏の協力を得て1982年に普及の足掛かりとなるモランボンテコンドー府中道場が創設され、さらに翌1983年7月4日にはITF(国際テコンドー連盟 International Taekwon-do Federation)の認可を受け、世界で76番目の加盟国として日本国際テコンドー協会が発足しました。 現在は、全国各地において道場、クラブ、通信教育、各種競技会・演武会などを通して、普及活動を行っています。 |
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(元)ITF副総裁 |
日本国際テコンドー協会 |
日本国際テコンドー協会 |
テコンドーには、立ち方、足技、手技などの基本動作が、全部で約3,200あります。手の攻撃技としては、正突、裏拳、などの拳を握っての攻撃、掌底、手刀などの手を開いての攻撃、抜き手などの指先を使った攻撃、肘を使った攻撃などがあります。 |
テコンドーのトゥル(型)はテコンドーの根幹を成すものとして、最も重要視されています。 テコンドーの型は全部で24種類あります。 テコンドーには、立ち方、足技、手技などの基本動作が、全部で約3,200あり、型はこれらの基本動作を組み合わせて構成され、ひとつの流れのある動きを作っています。 また、型は昇級・昇段審査の課題のひとつとなっており、9級で習うチョンジ(天地)から、1段になるまでに9つの型を修得します。最後の型である24番目のトンイル・トゥル(統一の型)は6段の修得課題です。 |
テコンドーの競技は、 トゥル『型』、 マッソギ『組手』、 パワーブレイキング『威力』、 スペシャルテクニック『特技』の4種目で行われます。 テコンドーの競技は、修練によって身に付けた技術・精神を遺憾なく発揮する場として発展してきました。その過程で、組手などの競技、1種目のみでは表現し尽くすことが難しいテコンドーの技術を、それぞれに競技の目的・競うべき技術が違う4種類の競技を用意することによって競い合うという現在の競技体系が完成したのです。 まず、 トゥル の競技ではいかにテコンドー独特の動作を実現出来るかを競います。さらにマッソギ では、実際の人間を相手にして、激しく動く攻防の中で正確に攻撃する技術力・戦術を競います。ただし、マッソギは相手を倒すことを目的としていないため、相手に全力の攻撃を当てることは禁止されています。そのため、テコンドーの持つ一撃必勝の破壊力は パワーブレイキング で競うことになります。そして、修練によって身に付けた身体能力の限界に挑む場として スペシャルテクニック の競技があります。 また、テコンドーの競技には団体戦があります。 団体戦では、5人1組(3人の場合もあり)で競技を行います。 このように、テコンドーの競技はそれぞれに競い合う技術が異なっています。1つの競技で優勝するよりも、4つの競技全てにおいて好成績を残すことの方が難しいかもしれません。 |
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①トゥル《型》 |
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②マッソギ《組手》 |
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③パワーブレイキング《威力》 |
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④スペシャルテクニック《特技》 |
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⑤団体戦《トゥル・マッソギ》
テコンドーでは個人戦だけでなく、5人1チームでの団体戦も行われています。 |
一、禮義 目上の人を敬い、人の行う禮の道 一、廉恥 心が清らかで、恥を知る心のあること 一、忍耐 耐え忍ぶこと。苦しくてもじっと我慢できる強い精神 一、克己 己に勝つこと。自分の欲望に打ち勝つ精神 一、百折不屈 幾度挫折しそうになっても決して屈しない精神 |